スーパーの棚に、静かに、しかし確かな存在感を放って並んでいる、緑の「114」と、赤の「117」。UCC上島珈琲が誇る、インスタントコーヒーのロングセラー「THE BLEND」シリーズ。
あなたも一度は、そのシンプルなパッケージを手に取ったことがあるのではないでしょうか。そして、こう思ったはずです。
「この“114”と“117”って、一体なんの数字なんだろう?」
「いつもなんとなく同じ方を買っているけど、本当はどっちが自分の好みに合っているんだろう?」
この記事は、そんなあなたの長年の疑問に、完璧な答えを提示するための「UCC THE BLEND 完全解説書」です。
ミステリアスな数字に隠された誕生秘話から、それぞれの味のキャラクター、そして炭火焙煎の本格派「すみ芳」まで、シリーズの全貌を徹底的に比較・解説します。さらに、いつもの一杯が劇的に美味しくなる淹れ方のコツも伝授。この記事を読めば、あなたはもう「なんとなく」でUCCのコーヒーを選ぶことはありません。自分の好みに完璧に合った、最高の一杯を選ぶことができるようになります。
この記事を読めば分かること
- 謎の数字「114」と「117」に隠された、感動的な誕生ストーリー
- 「ブラック派」と「カフェオレ派」それぞれに最適なのはどちらか
- UCCのインスタントコーヒーがもっと美味しくなる、淹れ方の黄金ルール
【第1章】数字の謎を解き明かす!114と117、その誕生秘話
レビューに入る前に、まず最大の謎である「数字の意味」から解き明かしましょう。実はこの数字、驚くほどシンプルで、そしてコーヒーへの深い愛情に満ちた理由から付けられています。
「THE BLEND」シリーズが開発された当時、UCCのコーヒー鑑定士(プロのテイスター)たちは、500種類ものブレンドサンプルを作り、来る日も来る日もテイスティングを繰り返していました。そして、それぞれの飲み方に最適なブレンドを探し求めていたのです。
「114」は、ブラックコーヒー派に選ばれた味
500種類のブレンドの中から、ブラックコーヒーとして飲んだ時に、最も多くのプロから「美味しい!」と評価されたのが、サンプル番号「114番」のブレンドでした。選び抜かれたブラジルとエクアドルの豆を使い、酸味と苦味のバランスが取れた、柔らかな味わいが特徴です。
「117」は、ミルクと合わせる派に選ばれた味
一方、ミルクと砂糖を加えて飲んだ時に、最もバランスが良く、美味しいと評価されたのが、サンプル番号「117番」のブレンドでした。ブラジルとコロンビアの豆を深く焙煎し、しっかりとしたコクと苦味を引き出した、力強い味わいが特徴です。
そう、この謎の数字は、膨大な試行錯誤の末に選び抜かれた「栄光のサンプルナンバー」だったのです。この誕生秘話を知るだけで、それぞれのキャラクターが明確に見えてきますね。
【第2章】定番ラインナップ徹底比較!あなたに合うのはどれ?
それでは、それぞれの味の個性を、もっと詳しく見ていきましょう。
【早見表】UCC THE BLEND ポジショニングマップ
種類 | No.114(緑) | No.117(赤) | すみ芳(金) |
---|---|---|---|
味の方向性 | 柔らかな酸味・バランス | 深いコク・しっかりした苦味 | 炭火の香ばしさ・キレ |
相性の良い飲み方 | ブラックコーヒー | カフェオレ、アイスコーヒー | ブラックコーヒー(気分転換に) |
緑の「THE BLEND 114」:柔らかな味わいの傑作
キャッチフレーズ:ブラックで輝く、澄み切った味わい
ブラックコーヒー派に選ばれた114番は、柔らかな口あたりと、すっきりとした後味が特徴です。
おまめ的正直レビュー
口に含むと、角の取れたマイルドな苦味と、それを支える優しい酸味が感じられます。全体的に非常にバランスが良く、毎日飲んでも飽きがこない「安心感」があります。特に、後味が重くないので、仕事中や読書のお供として、すっきりと飲みたい時に最適です。強い刺激やパンチを求める方には少し物足りないかもしれませんが、ブラックコーヒーとしての完成度は非常に高いです。
赤の「THE BLEND 117」:深いコクの王様
キャッチフレーズ:ミルクに負けない、力強い存在感
ミルクと合わせる派に選ばれた117番は、しっかりとした苦味と、深いコクが持ち味です。
おまめ的正直レビュー
「美味しい!」これが最初の感想です。114番とは明らかにキャラクターが違い、しっかりとした焙煎による香ばしい苦味と、濃厚なコクが口いっぱいに広がります。ブラックで飲むと、その力強さをダイレクトに感じられ、眠たい頭をシャキッとさせてくれます。そして、このコーヒーの真価が発揮されるのが、ミルクと合わせた時。牛乳の甘さに全く負けることなく、コーヒーの豊かな風味がしっかりと主張し、まるで喫茶店で飲むような、本格的なカフェオレが完成します。
金の「THE BLEND すみ芳」:炭火焙煎の芸術
キャッチフレーズ:唯一無二の香ばしさと、キレのある後味
UCCが長年培ってきた「炭火焙煎」の技術を、インスタントコーヒーで再現した意欲作。独特のスモーキーな香りが特徴です。
おまめ的正直レビュー
これは、他の2つとは全く違う、特別な一杯です。まず、香りが違います。まるで、焙煎したての豆を目の前で挽いたかのような、スモーキーで香ばしいアロマが立ち上ります。味わいは、苦味が主役でありながら、重すぎず、後味は驚くほどスッキリ。毎日飲むというよりは、気分を変えたい時や、和菓子などと合わせてじっくり味わいたい、そんな贅沢なインスタントコーヒーです。
【第3章】インスタントが劇的に美味しくなる「黄金の淹れ方」
最高の相棒を選んだら、最高の淹れ方でそのポテンシャルを120%引き出してあげましょう。UCCのインスタントコーヒーも、この3つのルールで劇的に美味しくなります。
ルール①:お湯の温度は「80〜90℃」が絶対!
沸騰したて(100℃)の熱湯はNG。繊細な香りを飛ばし、嫌な苦味を引き出してしまいます。一度沸騰させた後、30秒〜1分ほど置いて、少し温度が落ち着いたお湯を使いましょう。
ルール②:最初に少量のお湯で「練る」!
カップに粉を入れたら、まずティースプーン1杯程度のお湯で、ペースト状になるまでよく練ります。この一手間で粉が均一に溶け、驚くほど口あたりが滑らかになります。
ルール③:「2gを140ml」の基本比率を守る
基本のレシピは「ティースプーンすりきり1杯(約2g)に対し、お湯140ml」。まずはこの比率を基本とし、好みに合わせて調整するのが、理想の味への近道です。
長年、当たり前のように私たちのそばにあり続けた、UCCの「THE BLEND」シリーズ。その数字の裏には、飲む人のシーンを想う、開発者たちの深い愛情と情熱が込められていました。
もしあなたが、ずっと「114」派だったなら、明日はぜひ「117」でカフェオレを試してみてください。もしあなたが「117」派だったなら、「114」のすっきりとした後味に驚いてみてください。その違いを知ることで、あなたのコーヒーライフは、また一つ、豊かな彩りを増すはずです。